どんな仕事も変化し続けることが大事

ビジネスコネクトふじのみや(以下、ビジコネ)で整備工場の移転について相談やアドバイスなどサポート。
- オフロードガレージ鈴木
- 業種:自動車整備業
- 創業:平成元年
店舗移転と土地の課題

オフロードガレージ鈴木では四駆車のカスタムや修理を主に行っています。
今回、店舗の移転の話から工場を建てる話まで持ち上がって、新たに工場を建てるなら富士宮市の中でも開けたところに建てたいという思いがあってビジコネに色々相談させてもらいました。
扱っている車種が四駆で、車体が大きいんです。だから、広い工場の中で車の整備をしながら、遊び場みたいなスペースも設けて、そういう関連性を持たせた場所が作れたらいいなというイメージがありました。それで、郊外に工場を建てられるのか、というのを漠然と考えていたところがありました。
そんな時にビジコネという取り組みがあると聞いて、そこにちょっと相談してみようか、というところから始まりました。それが最初のきっかけでしたね。
市街化調整区域という壁
市街化調整区域というハードルの高さを、市役所の方々と話をしていく中で実感しました。ですが、ビジコネの担当者さんにはすごく詳しく教えてもらいました。例えば「この場所は地目がこうだから建てられません」とか、「農地との関係があって難しいです」とか、そういった普段わからないことを一つ一つ確認してもらいました。
漠然と「市街化調整区域だから建てられない」と思っていたけど、整備工場ならある一定の条件を満たせば建てられるということも分かりました。そういった条件を調べてもらって、具体的に理解することができました。
とはいえ、やっぱり制限のある地域ですから、当初イメージしていた場所に簡単に建てられるわけではなくて。本当にピッタリな物件が出てきた時に考える、というスタンスでゆっくり探していくという方向になりました。
四駆と共に歩んできた歴史

当社は創業が平成元年で、その当時スキーブームもあり、ランクルとかパジェロといった四駆に乗る人が多かったんです。今でも30年くらいずっと乗っているお客さんもいますし、車を乗り換えても来てくれている方もいます。
最近はキャンプやアウトドアのブームもあって、若い人が昔の車に乗り始めています。親が乗っていた車を綺麗にして乗る、みたいな流れですね。扱っている車種はずっと変わらないのですが、修理や車検の依頼は今とても増えています。
最初は本当に四駆ばかりで、タイヤを大きくしたり車高を上げたりといったカスタムが中心でした。でも、今では整備の対象が広がってきていて、家族の車やミニバンなども扱っています。
四駆はトラックのように頑丈な造りで、長く乗れる分、修理も多くなる場合が多いです。普通の乗用車なら10年、15年で買い替えを考える時期でも、四駆だとまだまだ乗り続ける方が多いので、10年10万キロ、20年20万キロといった車の修理をずっとやっています。
その分、修理の濃さや量が多くて、乗用車の整備とはちょっと違う世界ですね。
乗用車では、修理の箇所が増えたり、新しい車に目移りしたりすることで乗り換えを考えると思いますが、四駆は「古いからこそカッコいい」「長く乗りたい」と思わせてくれる魅力があると思います。
今後の展望
趣味の話にもなりますが、自分は狩猟免許を持っていて、アウトドアに関わることも好きです。もし郊外に広い土地が持てたら、四駆と狩猟、ジビエ料理などを絡めた体験型の場が作れたら面白いと思っています。
罠の仕掛け方のワークショップとか、鹿の動きについて学べるフィールド体験とか。あとは、ジビエ料理を通して食育にもつながるような取り組みもできたらいいなと思います。
支援について

もともとは富士宮信用金庫へ融資の相談に行った際に、ビジコネの事を知りました。信用金庫さんとは長い付き合いで色々相談もしていましたが、市役所や商工会議所へ行って話を聞くという機会はほとんどありませんでした。今回こういう機会でコーディネーターの方にも来ていただいて、本当にいろいろなことを相談できました。それぞれの専門家を集めて相談する事はとても難しいと思いますが、市役所や商工会議所の方が適切な専門家につないでくれて、「誰に聞けばいいかわからない」といったことがなくなりました。
市役所へいきなり相談に行っても、市役所だって対応できないこともありますし、私だってうまく話せないかもしれない。ビジコネのような取り組みは、気軽に相談できる雰囲気もあって、すごく心強かったですね。今後も色々ご相談させて頂こうと思います。
これから創業する方へ

起業を考えている方には、まず「小さく始める」ことをおすすめしたいです。
私の妹はシフォンケーキの職人で、移動販売をしています。固定の店舗を持たずに、家の厨房で作ったものをイベントに出店して販売するスタイルです。
飲食も含めて、固定の店舗を持つと経営の難易度が上がるので、まずはイベント出店や受注販売など、無理のない形で始めるのがいいと思います。
僕自身は23歳からこの会社で働き始めて、今41歳。経営については親から教わりながら、少しずつ自分のやり方を模索しているところです。創業者には創業者の難しさがありますが、それを引き継いで、次の時代に合った形で運営していくのが2代目の難しさだと思います。
どんな仕事も、ずっと同じことができるわけではないので、時代に合わせて変化し続ける必要があります。でも、とにかく動いていれば、お客さんが興味を持ってくれて、人とのつながりが生まれて、そこから仕事が広がっていくものだと思っています。
うちのような小さな規模だからこそ、趣味性を大事にして、お客さんの心をつかんで、それが仕事につながればいいなと思っています。
事業者情報
- 店名:有限会社オフロードガレージ鈴木
- 住所:〒418-0022 静岡県富士宮市小泉1256-1
- 電話番号:0544-23-8749
- ホームページ:https://offroadgarage-suzuki.com/
- Instagram:https://www.instagram.com/offroad_garage_suzuki/