自由な発想でつくる、自然の中のウェディング

ビジネスコネクトふじのみや(以下、ビジコネ)にて、経営力向上補助金・持続化補助金の申請をサポート。

  • The Wedding Box
  • 業種:ウェディングプランナー
  • 創業:2024年1月

事業を始めたきっかけ

もともと私はカメラマンとして、結婚式場でウェディングの撮影をしていました。今でもお付き合いのあるお客様の撮影は続けているのですが、転機になったのは、フランス・パリでのウェディング撮影です。
現地に住む日本人カップルの結婚式に立ち会った際、区役所で式を挙げたあと、公園で自由にシャンパンを開けて祝うという、日本にはないスタイルを目にしました。決められた進行や形式に縛られない、とても自由で、いい意味で“システマチックではない”結婚式でした。
その光景に強く惹かれ、「こういう結婚式を日本でも実現したい」と思ったことが、この事業の原点です。

その後フォトグラファーを続けながら、レストランウェディングのプロデュースを依頼されるようになり、プランニングをしていく中で、アウトドアの要素を取り入れ、屋外の空間を活かしたり、結婚式場のように室内で完結しないスタイルをやりたいという思いが強くなっていきました。

そして富士宮にあった「レストランBio-s」というお店で、レストランを使ったウェディングをスタートさせたのが、この事業の大きなきっかけです。

コロナ禍による変化と広がり

コロナ禍では、ウェディング業界のスケジュールが一気に白紙になるほど、仕事がなくなった時期がありましたが、その一方で、私は屋外での挙式やパーティーを中心に行っていたこともあり、「密を避けられるウェディング」として逆に需要がありました。
当時は、沼津市足高の「泊まれる公園INN THE PARK」さんや「まかいの牧場」さんなど、地元の方々が本当に協力してくださり、「新郎新婦のために何かしてあげたい」という想いがとても強かったです。あの困難な時期を共に乗り越えてくださった方々への感謝が、今も事業を続けられている大きな支えになっています。

また、コロナ禍をきっかけに、結婚式に対する考え方そのものが変わった方も多いと感じています。これまで主流だった「式場で行う結婚式」だけでなく、「屋外で自由に行う」という選択肢に目を向ける方が増えました。

屋外ウェディングは日本ではまだ発展途上の分野ではありますが、会場選びやパートナーとの連携を工夫することで実現は可能です。そのために必要な設備や体制も、この数年でしっかりと整えてきました。

The Wedding Boxの特徴

私たちのウェディングは、「持ち込み自由でお任せする」というスタイルではなく、企画から手配まで一貫してマネジメントするのが特徴です。

お花やヘアメイク、ドレスといった基本的な手配はもちろん、シェフの選定まで含めてトータルでプロデュースしています。特に食には強くこだわっており、「シェフありき」でウェディングを組み立てています。シェフとともに生産者を訪問し、地元の食材を活かした料理を提供することを大切にしています。

また、地域に根ざしたウェディングを実現したいという思いから、活動エリアは静岡県東部にこだわっています。沼津市足高の「泊まれる公園INN THE PARK」をはじめ、富士宮エリアでも積極的に展開しており、「富士山ワイナリー」などでのウェディングも数多く手がけています。

さらに、林道を活用したウェディングなど、より自然に近いロケーションでの実施も行っています。

パーティーへのこだわり

私がウェディングで特にこだわっているのは、「パーティー」です。
ウェディングは単に写真を残すだけではなく、料理を囲みながら人と人がつながり、同じ時間を共有することに価値があると考えています。
パーティーには、シェフやカメラマン、装花、施工など、多くのクリエイターが関わります。それぞれの技術や表現が重なり合うことで、新しい挑戦や仕事の機会にもつながっていきます。そうした「みんなでつくる場」を大切にしたいという思いから、パーティーを軸としたウェディングを中心に行っています。

フォトウェディングのご依頼にも対応していますが、あくまで軸はパーティーです。写真だけでなく、その場でしか生まれない体験を大切にしたウェディングを提供しています。

ロケーションへのこだわり

富士宮でウェディングを行う際、多くのお客様が「富士山を背景にしたい」と希望されます。
ただ、同じ場所での撮影を繰り返すのではなく、お客様ごとに最適なロケーションを提案することを大切にしています。富士山は見る場所によって表情が大きく変わるため、その違いを活かした提案が重要だと考えています。

そのため、ロケハンには特に力を入れており、天候や時間帯、混雑状況まで細かく確認しています。カメラマンとしての経験も活かし、光の入り方や撮影のタイミングまで含めて最適な環境を見極めています。

また、富士山麓の一部エリアでは入場や使用に許可が必要な場所もあるため、正式な契約を結び、撮影や挙式ができる環境を整えています。
効率だけを考えれば同じ場所で行う方が楽ですが、それでは提案の幅が狭くなってしまうので、お客様一人ひとりに合ったロケーションを選び、唯一無二のウェディングをつくることを大切にしています。

思い出に残っているウェディング

これまでで一番印象に残っているのは、長年思い描いてきた「森の中でのウェディング」を実現したときです。
このイメージは15年ほど前から思い描いていたもので、「いつかこういう結婚式をつくりたい」と考え続けてきました。その想いが、2025年の秋に林道でのウェディングとして形になりました。
当日は、東京・六本木のミシュラン一つ星レストランのシェフを招き、京都からカメラマンを呼ぶなど、特別なチームでつくり上げた一日でした。お客様の描くイメージと、自分の想いが重なり、まるで映画のワンシーンのようなウェディングが完成しました。

最初は誰にも理解されなかったスタイルが、時間をかけて形になり、チームとして実現できたことは、大きな達成感とともに「続けてきてよかった」と感じた出来事です。

また、最近では富士山ワイナリーでのウェディングも印象的でした。美容師の新郎新婦が、自分たちらしさを大切にしたスタイルを選び、新婦は青い髪で当日に皆さんの前でヘアカットを行うなど、非常に個性的な演出でした。
「もっと自分たちらしく表現していい」と提案したことで、より印象的なウェディングとなり、その様子はファッション誌『メンズノンノ』に掲載されることになり、大きな反響を呼びました。
形式にとらわれず、「その人らしさ」をどう表現するか。それこそがウェディングの価値だと改めて感じた出来事です。

支援を受けて

補助金を活用することで、今の会社の規模だけでは難しいことにも、一歩踏み込んで挑戦できるようになりました。資金面で諦めずに取り組める部分が増えたことは、とても大きいと感じています。
もともと商工会議所さんとのつながりはあり、普段から様々な情報をいただく中で、タイミングに合わせて補助金を活用しました。これまで、和装の導入やレンタル衣装の展開、立ち上げ時の広告やWeb関連などに活用しています。
実際に利用したのは独立後で2回ほどですが、事業を進める上で大きな後押しになっています。

一方で、申請書類の作成は非常に難しく、独特の書き方も多いため大変な部分もありましたが、サポートを受けながら進めることができました。
結果として、補助金を活用したことで事業の幅も広がり、やってよかったと感じています。今後も必要に応じて活用していきたいと考えています。

今後の展望と取り組み

今後は、地元により密着したウェディングに力を入れていきたいと考えています。特に、富士宮ならではの自然や富士山麓のロケーションを活かしたウェディングを増やしていきたいです。富士山の景色は山梨側で撮られることが多いですが、富士宮側にも魅力的な景観が数多くあります。

そうした場所での挙式は、単に写真を撮るだけではなく、大自然の中で体験する特別な時間として価値があると感じています。また、地元の食材やクリエイターと関わることで、地域全体を活かしたウェディングにもつながっていくと考えています。

さらに、ウェディングに限らず、企業の懇親会やインバウンド向けのパーティーなど、ケータリングを活かしたイベントにも取り組んでいきたいと考えています。実際に企業パーティーの実績もあり、地元食材を使った料理は好評をいただいています。
今後は、企業の敷地などでも開催できるような新しい形のパーティーにも挑戦していく予定です。

これから創業する方へ

創業する際に大切なのは、「自分の軸を持つこと」だと思います。
周りを見れば、成功している人や実績のある人がたくさんいて、どうしても気になってしまうものですが、そこに引っ張られすぎると、自分らしさがなくなってしまいます。なので、私はあえて他のプランナーのやり方を真似せず、自分のやりたいことだけを信じてやってきました。
ウェディングは単なるイベントではなく、人の人生に関わるものです。だからこそ、流行や形式ではなく、その人らしさを大切にすることが何より重要だと思っています。
同じものをつくらない。唯一無二のウェディングをつくる。そのために、自分の軸を持ち続けることが大切だと感じています。

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