積み重ねた「食」の経験と、想いで叶えた夢

ビジネスコネクトふじのみや(以下、ビジコネ)にて、新規開業にあたって融資のあっせん・事業計画書作成をサポート。

  • Bake shop Ricca
  • 業種:菓子製造・販売
  • 創業:2025年7月

こだわりスコーンと焼き菓子のお店

Bake shop Riccaは2025年7月24日にオープンしました。もうすぐ1周年で、今は周年記念に向けて何をしようかなと考えているところです。どんなことがお客様に喜んでいただけるかなと、とても悩んでいます。

基本はスコーンのお店ですが、マフィンやシフォンケーキなど焼き菓子全般を取り扱っています。元々はシフォンケーキのお店にしようと思っていたのですが、富士宮市も富士市も、シフォンケーキのお店が意外と多いんですよね。だけどスコーンのお店ってないなと思ったんです。それまでも知人にスコーンをプレゼントして喜んでもらえていたので、スコーンを売りにするのが良いんじゃないかと考えました。一昔前はスコーンって、そこまで馴染みがなかったように思いますけど、大手のカフェチェーン店などでも取り扱うようになって浸透してきた感覚があります。スコーンをお目当てに来店してくださる方も多いですから、最近は広く好まれているんだなと感じます。

自分の周りの人たちからは、専門店にした方が良いんじゃないかと助言もありました。最近はいろんな専門店がありますしね。でも、それを食べられない人や苦手な人も必ずいますので、お客様の幅を狭めるのはもったいないなと思ったんです。いろんなものを取り揃えて、いろんな人に食べてほしいと考えた結果、商品もモリモリ増えて今のような形になりました。お客様のご要望を取り入れながら、新しいことにもチャレンジしていく、前向きな地域密着スタイルでやっています。

日々勉強の商品開発

メインはプレーンとチョコのスコーンで、フルーツ系はコンポートを作って中に入れています。りんごをカットして煮たり、カスタードも炊きますし、作れるものは全て自分で作ります。スコーンはお菓子でもあるし食事にもなるものだと思いますので、製法も分けていろいろな種類を作っています。メニューの開発は、定番のものでも季節に応じたものでもものすごく悩みますね。まだお店も1年目で、全てが初めてのことなので、今どんな商品を作るべきかということをずっと考え続けて営業している状態なのですが、1年経験したらこの時期はこれをやるというサイクルが見えてくるはずなので、今は踏ん張りどころです。
また、お客様からのご要望もあって、アレルギーに対応できる商品開発にも取り組んでいます。代替できる材料を考えていろいろ試していますが、難しいことも多いです。気温や湿度にも影響を受けますし、昨日は上手くいったのに今日は違うということもあります。毎日が勉強ですね。

お客様と一緒につくる暖かいお店

Riccaのスコーンは今まで食べたことのない味と食感だと言っていただくことが多いです。ここのスコーンは表面がサクッと、中はふわふわでしっとり感があるのが特徴で、飲み物がなくても口の中がパサパサにならないので最後まで美味しく食べられます。手土産に買っていかれる方が多いのですが、Riccaのスコーンを持っていけば間違いないと言っていただけるのは嬉しいです。

また、ご近所さんがお子さんを連れてきてくれたりなど、常連さんは多いです。お客様の様子はしっかり見るようにしていて、来てくれた方のお顔は覚えているので、初めて見る方にはお声かけをしています。どれにしようか悩んでいる方にも積極的に話しかけてコミュニケーションをとります。暖かい雰囲気の、何度も来たいお店にしたいというのがコンセプトでしたので、特別なときだけでなく、気軽に使ってもらいたいなと思っています。お店の近くに小学校があって、登下校中のお子さん達と交わす挨拶やちょっとしたやり取りなども、地域への関わりを感じる大切な時間です。家に帰ってからおうちの方と一緒に買いに来てくれるのも嬉しいですね。この芝川地区を盛り上げていきたいという想いがありますので、子ども達が大人になっても通い続けてくれるようなお店にしていきたいです。

目標としてきた「自分のお店」

初めは自宅の周辺にお店を建てようと思っていたのですが、なかなか良い場所が見つからずにいました。自宅からも遠くないこの物件が売りに出されているのを見つけて、すぐに不動産屋さんに連絡をして内見をしたところ、お店の内装のイメージや、実際に仕事をする様子がすぐに頭の中に浮かんできたので、「ここだ!」と、即決しました。物件を見つけたのが売りに出されて2日後だったようで、運命を感じましたね。
外壁や内装の色や素材は、知り合いの業者さんとしっかり話し合って納得のいくデザインに仕上げました。店内の設計を設計士さんに頼むという発想がなく、全部自分で寸法を測って、作業台や什器、インテリアを揃えました。いつか使おうと買い揃えていた雑貨なども自宅からこちらにどんどん移して、今は自宅が空っぽになっています(笑)。物件のこともそうなのですが、必要なものが自然と自分の元にやってくるようなことが多いんです。家具や雑貨も、これ良いなと思ったものが店頭で売約済みだったとしても、ちょうどよくキャンセルが入ったりとか。そういうときには悩まずに、直感を信じて購入を決めるようにしています。後になって後悔したくないですから。

食に携わり続けて

私が小学生の頃は、将来自分のお店をやりたいなと漠然と思っていました。私は鍵っ子だったのですが、自分で何かを作ることが多かったんです。母が分厚いお菓子百科のような本を買ってくれたことがあって、家に一人でいる間はそれをずっと読んでいました。どんな材料があるのか知ったり、作り方を見てできそうなものは作ったりしていましたね。学生時代はパン屋さんでバイトをしていて、卒業後は江戸屋さんのケーキ室で働いていました。その後も食品調理の仕事や、沼津で魚屋をやっていた父親の仕事を手伝い、魚も捌いていました。ずっと食に携わる仕事をしてきた中で、結婚後にパン屋さんで働いているときに転機がありました。
親戚関係なのもあって、土井ファームさんに声をかけていただいてオープニングスタッフとして働き始めました。将来自分でお店をやりたいということは伝えていたので、そのための勉強にもなるし相談にも乗れるからぜひということでした。とても心強かったです。当初はジェラートを作っていましたが、段々とパンやお菓子も始めて、商品開発などはここでの試行錯誤が今に活きています。 新規事業の始まりを経験できたことはとても良かったと思います。私は専門学校には行かなかったのでずっと独学なのですが、目標としてきた自分の店を持つことが実現する見通しが立ってからは、基礎も習っていない自分がお店をやるのは大丈夫なのだろうかと、やはり不安に思うこともありました。それでも、土井ファームさんでの経験が自信になっていましたし、この物件に出会えたことや、資金面の調整などいろいろなタイミングが重なって、ついに独立開業に至ったというところです。

ビジコネの支援を受けて

ビジコネで補助金のこともバックアップしていただけるというのを聞いて、芝川商工会さんに相談させていただきました。やりたいことは決まっているけど、何からやれば良いのか分からないという状態でしたね。「事業計画書って何ですか?」という感じで(笑)。実際に事業計画書を作るときにも、全然分からなかったので、たくさん相談に乗っていただきましたし、パソコンが苦手なので、書類の作成も大分支援していただきました。
資金調達の面でも、家族からはそんなの絶対無理だよなんて言われていましたが、無事に融資にも繋げていただいて、本当にこれから頑張らないとという感じです。
私の場合は、どこまでやってもらえるんだろうというのが分からないまま、とりあえず相談に行こうという感じでした。何を聞いたら良いか、何が分からないかが分からないという状態です。それでも行けばしっかり支えていただけますし、確定申告などについても、そのまま一緒にサポートをお願いする方もいるんじゃないかなと思います。末長く手厚いサポートで安心感がありますね。

創業を考えている方へ

私は、やってみてダメなら仕方ない、そのときまた考えれば良いという性格なのですが、何でも思いついたことはやってみる、分からないことがあれば分かる人にとにかく聞く、というのが一番だと思います。悩んでいる時間はもったいないですから、専門家に頼ってすぐに解決した方が次にどんどん進めるので無駄がないです。
参考になるものをたくさん見ることも大切ですね。例えば私のようにやりたいお店があれば、たくさんのお店に行っていろんな良いところを吸収する時間が必要だと思います。「研究のために1000個のスコーンを食べた店主」というのは、私の友人がこのお店のキャッチフレーズとして発信したことなのですが、出先でスコーンを見つければ必ず買っていましたし、実際にそれくらいは食べてきているはずです。気になるお店や、自分のやりたいお店に似たスタイルのお店があれば、店員さんに直接お話を伺ったりするのも良いと思います。

これから先のお店づくり

事業計画を立てたときからやりたかったのに、まだできていないことがたくさんあるんです。今はまず飲み物の提供を考えています。マルシェなどの催事出店でできたつながりで、他のお店のハーブティーのティーバッグなどを販売しているのですが、提供時間の調整や器具も必要なのでこの場で飲める状態での提供はできていないんです。これは補助金の相談をしていて、今も現在進行形でビジコネにサポートしていただいています。
それからテイクアウトのスタイルでワッフルをやりたいと思っています。手作りのコンポートや土井ファームのジェラートを乗せたりして。夏場は焼き菓子の需要が少し落ちるのかなと考えているので、夏場でも喜んでいただけるものを提供できるようにしたいです。変わらない部分と変わっていく部分、どちらも必要なのかなと思います。

先日お客様から、東京のスコーンの有名店に行って並んで食べてきたけど、Riccaの方が美味しいねと言っていただいて、抱きつきたいくらい嬉しく思いました。子どもの頃の想いから始まって、長い月日をかけてできあがったお店ですから、基本も大切に、より良い方向に変化し続けていけたら良いなと思います。

事業者情報

  • 店名:Bake shop Ricca
  • 住所:〒419-0315 静岡県富士宮市長貫1336-11
  • 電話番号:0544-66-8010
  • 営業時間:11:00~18:00(売り切れ次第閉店)
  • 定休日:月・火・水曜日(土・日不定期営業)
  • Instagram:https://www.instagram.com/ricca_scone/