日本でいちばん、手をかけたニジマスを広めたい!

販売方法や販路等の相談、経営の相談を主としてサポート。また市役所内の農業部門を介して、農産物に関する補助・支援を行いました。

  • 西田養鱒
  • 業種:養鱒
  • 創業:2020年に起業

養鱒を始めたきっかけ

15歳の時に、富士養鱒場で銀ピカのニジマスを見て、これを育てたいと思ったことが始まりでした。そこから、焼津水産高校の栽培漁業科に進学。
その後富士宮市で富士養鱒漁業協同組合に就職しました。これでニジマスを育てられる!と思ったのですが、配属されたのが加工系の部署でだったんです。それでもニジマスを育てたくて、休みの日に他の養鱒場でアルバイトをしたりもしました。

10年程勤めて、部署の変更はあったものの養殖に携わることが難しかったので、市内の別の養鱒場に転職しました。
そこで8年働き、結婚して子供もできて富士宮に家も建てましたが、どうしても自分の手でニジマスを育てることを諦められず、県の水産試験場の方に相談したところ、猪之頭にある池を斡旋していただいたことが創業のきっかけです。

ニジマスの養殖に惹かれたわけ

魚に携わる同様の仕事に「漁師」があると思います。子供のころから釣りが好きでしたし、海の仕事、男の仕事として魅力的ではあったのですが、
ニジマスは魚自体がとても綺麗だったり、完全養殖の産業として確立されている所も含めて、陸の仕事でも自分はこの上なく魅力的に感じました。
現在富士宮市ではニジマスの生産量が日本一ですが、消費量はあまり高くありません。私の所でも、食用より「釣り堀用」として生産・販売する割合はまだまだ高いです。

食用としてのニジマスですが、「川魚は臭みがあって」と敬遠される方もおられますが、養殖のニジマスはプリプリの食感と弾力のある歯ごたえ、深い甘みや旨味があってとても美味しいんです。食べていただいたほとんどの方に「イメージが変わった」と言っていただけました。
クセもないので、お子さんなどお刺身が苦手な方でも食べられるくらいです。

創業時の課題

ただ実際はどうかというと、一部の飲食店さんなどでは扱っていただいてますが、例えば市内のスーパーではまだ取り扱っていないところのほうが多いです。理由はコスト面が大きく、地元消費というよりは観光客向けの物になってしまっています。

養殖は天然物と比べるといろいろな経費が掛かるので、なかなかコストを下げることが難しい面があります。

また、静岡県は海があるので、川魚を食べる習慣があまりないことも課題で、地元で売ることの大変さや、食べてもらうまでが大変だな、と感じています。

創業時の不安

ニジマスの養殖はそれで生計を立てることが簡単ではない事はわかっていましたが、それでもやりたかった。
でも不安は当然ありました。そんな時に補助金や支援があることは非常に大きな「きっかけ」でした。
今回の補助金は、専門家でないとなかなか使いづらいものだったこともあり、ビジネスコネクトふじのみやを活用できたことはとても大きかったと感じています。
色々役に立つお話や第3者の意見も聞けるし、いい形で先に進められるようにしていただいたと思います。



ニジマスをPRするために

我々としては食用の消費も増やしたかったので、県の水産試験場に相談して静岡県漁業協同組合連合会の水産試験場から水産イノベーションに関する補助金を申請し、ニジマスの加工場を自宅の敷地内に作りました。
次にどうやってニジマスのおいしさを広めるかを考えました。市役所の農政課さんにラベルやパッケージなど、商品化にあたっての相談もさせていただき、お刺身や塩焼き用の串うち、味噌漬けなどのメニューを考えて商品化しました。
今後は、例えば「○○鱒」のような西田養鱒ならではのブランディングも考えていきたいと思っています。


ニジマスの可能性と販路拡大

市内のラーメン屋さん用にメニューを考えたりもしています。
ニジマスの身を具材としてしまうとコストがかかりすぎるので、アラの出汁を使ったラーメンを考案・商品化しました。

ニジマスは一度食べてもらえさえすればその良さがわかる魚ですので、まずは広めるための入り口、可能性を探っているところです。
ふるさと納税の返礼品としても登録していただくことにもなりましたし、別に露店営業許可も取ったので、人の集まるイベントなどへの出店も考えています。




これから創業する方へのメッセージ

とにかく、その時その時で臨機応変に対応すること、前向きなエネルギーを大切にする事だと思います。
でも自分たちだけではやっぱり難しい。なので色々な人に話を聞いてもらったりして、二人でどうにもならない時は力を貸して下さる所にお願いして。
誰かの些細な一言で、苦しい時期にはフワーっと視界が開けたりもしました。そういう本当にちょっとしたことを前向きなエネルギーに変えられるアンテナを常に持っておくことが大切だと思います。

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