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ビジネスコネクトふじのみやで、ものづくり補助金の申請をサポート

  • 土井ファーム
  • 業種:酪農・農業
  • 創業:1960年

耕畜連携で飼料の自給を実現したい

現在、乳牛や肥育牛の飼料が高騰している中、これまで稲刈りが終わった後はバラバラにして田んぼに撒いていた稲わらを集めてロールにし、それを牛の飼料にする。さらに牛の堆肥を稲作の肥料にする「耕畜連携」の取組みが県内で行われています。
それを受けて、自分たちの地域でもその循環を作れないかと考えて、上野・白糸・柚野地域で田んぼを作っている耕種農家さんに声をかけました。
いくつかの耕種農家さんが手を挙げてくれて、実際に稲わらを集めていますが、さらに効率的に稲わらを拾ってロールに束ねる集草機と、それを引くためのトラクターの購入をものづくり補助金で支援していただきました。

飼料の高騰が続く中、自給飼料を調達するためのアイデアの一つとして、これまで破棄していただけの稲わらを使うのはこの地域では初めての取り組みでした。
集めた飼料を他の酪農家と肥育農家に供給することで、これまで中国等から飼料を買っていて、この価格高騰でコスト増に苦しんでいる農家さんの助けになり、私たちも飼料販売という新しいビジネスとしても成り立つと考えています。

耕種農家さんにも快く協力していただいています。まだ本格的に実現はしていませんが、本来はそのロールで育てた牛の堆肥を使って稲を育ててくれれば、本当の意味でのSDGs(持続可能な開発目標)といえる耕畜連携の取組みになると考えています。

支援をうけて

ビジネスコネクトふじのみやについては、最初は知りませんでした。富士宮信用金庫に飼料が高騰していることの相談に行ったときに紹介してもらった形です。
相談した時から稲わらを使う事の構想はあったので、飼料高騰対策として今できる事の一つという位置づけでトラクターと集草機の購入を本格的に検討し始めました。
ビジネスコネクトふじのみやには、自分たちにはない知恵を貸していただきました。補助金の存在がなければ購入も簡単ではなかったでしょうし、申請方法も色々な方にご協力いただいたので、とてもスムーズに進めることが出来ました。



酪農業全体の活性化のためにできることを

堆肥を田んぼに還元する事にも力を入れていきたいですし、餌代を少しでも安く抑えることができれば今の酪農家さんたちも楽になる。農協が加わったシステムとしてこのサイクルがうまく回るモデルになればいいと考えています。

また、今は牛乳が余ってしまう事もあり、その解消のためにできることを模索しています。
私たちは教育ファームとしての機能も持っているので、例えば各地の小・中学校に修学旅行で来てもらったうえで、食育の一環で牛乳の生産の流れや酪農の大変さを体験してもらい、牛乳の消費拡大に繋げていくことも検討しています。

牛乳は、直販するものではなく酪農家全体で生産したものを国が集めてメーカーに卸して販売されるものなので、酪農家が少なくなってしまえば声もあげにくい。牛乳という身近なものがどうやって生み出されているのかを知ってもらい、一本でも牛乳の消費につながってくれれば、酪農全体にいい影響が出ると考えています。

これから創業を考えている方へ

自分たちは新しいことを始めるときには事前準備や調査を重要視しています。とにかく色々な所を見に行きました。今回の稲わらについても、他の既に取り組んでいる地域に実際に見にいったり、牛舎を拡張する際には、日本各地の色んな牛舎の良いところ・悪いところ自分たちの目で見てからそれを反映させました。直営のカフェをオープンする際には、当時東京の有名なジェラート屋を全部回ったと思います。
さらに市や県の農林関係の窓口にも相談したり、聞ける人には全部聞いて回りました。

二人で行くことで、お互いが気づかなかった点にも気付けるという利点もあります。お互いが納得しないと進めないと決めているので、意見が割れることもありますが、それで片方が納得できなかった場合にはもう一度見に行って、納得するまで調査します。

本や勉強で得たものだけでなく、実際に行って、自分の目で見て、やってる人と会って話を聞くことが一番大事だと思います。
同業の方からも刺激を貰っていますし、これからも自分たちが成長していくために必要な事はどんどん勉強していきたいと思います。

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