森の豊かな日本で実現したい、新しい空間の活用法
ビジネスコネクトふじのみやで、「小さな林業」のためのものづくり補助金等の申請をサポート
- 株式会社フォレストラヴェル
- 業種:林業
- 2019年10月
林業を幅広く展開したくて起業
20代の頃にバックパッカーとして様々な国や地域を旅してまわっていたのですが、その旅を通じて、日本の森の豊かさに気付いたんです。
こんなに森が豊かな国なのに活用しないのはもったいない。せっかくの森林を活用できる社会でありたいと考えるようになりました。
また、日本に帰って来た時に最初に思ったことは、「日本って疲れているな」ということでした。
旅をして知り合った同じ旅人たちのキラキラした目と違って、この国はなんて疲れているんだろう、と。
帰国して仕事に就くことを考えた時に、豊かな森に関わっていきたいと思うと同時に、精神的に疲れてしまった人の療養の場所だとか、人と人が交流するための場所として、森林の空間が活かせるんじゃないかと考えました。そういった空間活用の事業もこれからの林業は確立していくべきじゃないかと。
それと、森の仕事に就こうと考えて日本各地の森を見て回ったのですが、人口林が手入れ不足でことごとく真っ暗なんですね。その光景が帰国して初めて乗った満員電車の沈鬱とした空間と重なって。この森を明るくすれば街も人も明るくなるんじゃないかという想いもありました。
その想いを実現するために全国的な組織である森林組合に就職して奮闘しましたが、組織の中では自分が思い描く取組の実現はなかなか実現が難しい状態でした。
そこで独立して、自分の想いを実現するための活動をしやすいスタイルを作ろうと思ったのが創業のきっかけでした。
支援内容について
富士山の裾野の方の森はなだらかなので大きな重機でもそれ程傷むことはないのですが、富士・富士宮の西側にある森は大きな重機で入ると、たちまち傷んでしまう。
そうなると、台風等の災害時に工事が入ったところから土砂が流れ出て、住宅に被害を及ぼすこともあります。
自分としては、この会社の事業を通じて関わってくれた方を森に連れていきたいんですよ。
けれど、これまでの手法では林業によって荒れてしまった森を見せることになってしまう。
この方法は山には向いていない技術だとわかってからは色々と模索して、小さい重機を使う山にやさしい林業として「自伐型林業」「小さな林業」を取り入れようと考えました。
重機が小さくなるだけでなく、山の道の作り方や木の切り倒し方など変えていかなければならないことが多いので、手間をかけていく必要があります。そのかわり山に馴染んだ林業ができます。
そのための重機を補助金で購入するための支援を今回お願いした形です。
最初はものづくり補助金のことは知らなくて、森林整備の補助金制度の活用を考えていました。
そんな折、奈良県に小さな林業をもう40年以上続けている方と知り合いになることができて、その方に様々な重機の活用や購入するべき重機について教えていただいたのですが、その際に「事業再構築補助金」の存在を教えていただき、ビジネスコネクトふじのみやに相談しました。
色々相談した結果、「ものづくり補助金」を申請して、重機の購入を進めることができました。
申請に際しても商工会議所さんからは凄く具体的なアドバイスを頂けました。事業計画を作りきることは自分にはできなかったと思います。
最初は自分でやるつもりだったのですが、気持ちだけ焦っちゃってとてもできたものではなかったです(笑)。
林福連携事業の実現に向けて
この会社を興すときにどうしてもやりたかったのが、林福連携事業でした。
障がい者手帳を持っている方を支援する団体は色々ありますが、そういったサポートを受けられない「狭間の人」といわれている方たち、例えばうつ病で通院は終わったけど社会復帰出来ていない人や、長い間引きこもりだった人ををサポートするような活動を林業と福祉を連携させて、支援につなげる事業です。
現在は森林整備や造園を主にやりつつ、林福連携のためのカフェやゲストハウスの準備を進めています。他にも支援が必要な人たちに林業に携わってもらうことも実際に行っています。
森が持つ人を癒す力は迷信とかではなくて、ドイツやフィンランドでは森林療法や森林セラピーという呼び方で保険対象にもなっているんです。
この国の7割は森林だといわれていますが、人口の大多数は都会にいて、森林との距離がなかなか縮まることがない。
林福連携を通じて森をもっと身近に感じてもらいたいと思っています。
旅を楽しんでほしい。
これから創業する方へ
とにかく挑戦しなければ絶対後悔すると思います。人生は一度きりなので、いろんな冒険をして思いっきり旅を楽しんでほしい。
自分はバックパッカーとしての経験が根付いていたおかげで起業もそうですが、色々なことに怖がらずに挑戦できています。
挑戦する事柄が思いつかないことのほうが自分にとっては恐怖ですね。
目標があるのであれば、是非それに向かって挑戦してほしいなと思います。
事業者情報
- 事業主名:株式会社フォレストラヴェル
- 住所:〒418-0115 静岡県富士宮市精進川45-2
- ホームページ:https://forestravel.jp/