会社も事業も本当に大変なのは「存続」させること

新規事業のマッチングをサポート。また、新事業の製品製造を行うためのクリーンルームなど新棟建設に関する補助金の申請をサポート。

  • 株式会社旭ファクトリー
  • 業種:製造業
  • 創業:昭和37年(1962年)2月

事業拡大のための模索と挑戦

当社は、製紙業が盛んだった富士・富士宮地区で紙の断裁加工を行う企業として創業し、そこから60年紙加工一筋でやってまいりました。
ですが私が入社した頃は、既にペーパーレス化が推進され始めていて、紙の需要も情報用紙を中心に減少していった時期でした。当時の社員数は70名ほどで、敷地も広くこの事業規模の会社を継続させるためには、紙だけではない新たな新規事業を模索する必要がありました。
そこから、今後伸びてくる需要の分析や、会社の強みやお客様から評価されているポイントである「人を中心とした高い技術力や品質管理能力」をいかすことができる新事業として、情報用紙以外の食品や医療分野で使用する衛生用紙に目を付けて、より高品質な製品を作るための設備や環境を整えていきました。
大変な事もありましたが、そういった活動のおかげでこれまではハードルが高かった直接食品に触れる食品容器の検品作業を受託することができるようになるなど、会社としてできることがどんどん増えていきました。

新たなチャレンジから化粧品事業がスタート

ちょうどその当時はインバウンド需要で日本の化粧品が評価され付加価値が高まって来ていた時期でした。静岡県は化粧品生産額が全国トップクラスであり、さらに当社ではクリーン設備が整っていたことや、お客様からの引き合いがあった事などから、化粧品の製造にも目を向けました。
化粧品の製造はどこでもできるわけではなく、行政より許認可を取得する必要があるといった、様々な面で新たなチャレンジではあったのですが、無事に事業をスタートさせることができました。
最初は投資も比較的少ない区分の許認可から始め、軌道に乗ってきた頃に、より製造範囲の広い区分の許可を取得することもでき、製造ラインを増やして事業を拡大させていくことができました。その後は自社で製造販売する許可も取得し、商店街への店舗出店など、自社製品の製造開発・販売にも力を入れています。

医療分野への進出

新しいことにチャレンジしていく中で、会社として最終的には医療分野へ進出したいという展望がありました。
静岡県は医薬品・医療機器の生産額が全国トップクラスを誇っていて、その中でも東部は製薬・医療機器工場のほか製薬企業等の研究拠点が数多く集まっていることから「ファルマバレープロジェクト(医療健康産業クラスター)」を推進しており、当社も数年前から所属していました。
とはいえ、人の命に関わる医療分野は参入のハードルが高く、模索する日々が続いていましたが、化粧品をはじめとした新事業の際に都度支援を受けていた経緯から、今回ビジネスコネクトふじのみやのご協力の下、テルモ(株)さんと新事業のマッチングにお声がけを頂きました。
これまで色々なことにチャレンジしてきた成果だと思っています。チャレンジが成果につながったという事を実感として感じることができました。

会社も事業も存続させるという事は、本当に大変な事だと思っています。
何が起こるか全くわからないご時世でもあるので、お客様からの信頼を一つひとつ積み上げていって、今後は既存の事業である紙加工と化粧品製造、そして新規事業である医療機器部品製造の3本柱を今より強固なものにしていきたいと考えています。
その中で当社は製造業として、ものづくりを通して社会に貢献することを会社一丸となって取り組み、お客様や社員、そして地域社会から信頼され選ばれる会社を目標としています。

社員の協力あってこそのチャレンジ

私達が何より感謝しているのは、社員の皆の協力です。
設備投資などの資金面も大切ですが、新しい事業を始める際に軸になるのはやっぱり人です。
社員の方の頑張りがなければ今の会社はありませんし、新しいことに取り組み変化していかなければいけない、チャレンジしたいという会社の想いに社員の皆が理解・賛同してついてきてくれたことがすごくありがたいと感じました。

そういう企業風土づくりのために、会社が目的としていることを定期的に伝える場を設けたり、社員の方からの声を吸い上げる仕組みを構築したり、働きやすい職場にするためにヒアリングするなど、様々なやり方でコミュニケーションをとるようにしています。また、複数の委員会を定期的に開催し、様々な課題に対してPDCAサイクルを運用するなど、社内改善活動も活発に行っています。

相談して感じたメリット

ビジネスコネクトふじのみやには、化粧品の自社製品の開発、商標の取
得の際や、商店街に自社製品を販売する店舗を出す際などに支援して頂
き、おかげで安心して進めることが出来ました。

また、今回の支援で医療分野での新規事業が始まったことで、これまでの紙や化粧品のお客様からの信頼性をアップさせることができました。これまでのお客様から新たな別の引き合いを頂くこともでき、そういった面でもメリットが大きいと感じています。

今後事業を継続していく中で、資金的にも人材獲得などで色々な不安要素があるのですが、ビジネスコネクトふじのみやに相談することで様々な情報提供をいただけるので安心感がありますし、資金面での支援なども含めてこれからも活用していきたいと考えています。

自分で限界を決めずに思いを伝えること

日本酒化粧品を開発したときの事ですが、富士高砂酒造さんにダメもとで製品の構想をお話した所、意外にも賛同していただき原料提供ですごく協力していただくことができました。
最初は無理だと思っていたことが、自分で調べたり周りの人たちからの支援によって実現できるという事を実感出来ました。

自分で「無理だ」と限界を決めずに、1回自分の想いを誰かに話してみると、意外と賛同や協力が得られたりします。自分の想いはどんどん伝えていく事で、周りも理解してくれて実現に近づいていくと思います。

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