様々なご縁で実現した店舗

富士宮市空き店舗等対策事業補助金を利用した店舗の開店をサポート

  • 居酒屋 喜せらせら
  • 業種:飲食業
  • 創業:2023 年 12 月

夫婦二人三脚で居酒屋を開店

僕は愛知県の名古屋市出身で、結婚を機に富士宮に移住して来ました。
料理を始めたきっかけは、父が料理好きで、一緒に家でローストビーフを作ったり、ピザを生地から焼いたり、餃子を焼いたりするような家庭だったので、父から調理師学校を勧められ、そのまま料理人の道を選びました。
卒業してからは居酒屋で働いていました。ホールとキッチンが分かれているカフェやレストランと違って居酒屋は接客も料理も思いのほか楽しくて、自分でも居酒屋を始めたい、と考えるようになりました。

幸い出資者の方に恵まれて、店が決まるまで手持無沙汰だろうし、それまでキッチンカーで出店してみるのはどうだ、と言っていただきました。なので、しばらくはお店を開くことの宣伝もかねてキッチンカーを使って営業し、
メニューは妻がお気に入りでもある「まぜそば」をメインに販売していました。
その「まぜそば」は富士宮やきそばの麺をつかっていて、お客さんからも好評でした。他にも名古屋名物である「どて煮」という鍋のふちに味噌を土手のようにたてた鍋で食べるモツの味噌煮込みや、手羽先などを販売していました。名古屋のグルメが思ったよりも評判が良くて、酒のつまみに合うと言ってみなさん食べてくれました。

空き店舗を改装して活用

お店の場所がなかなか決まらず、それこそ賃貸やビルのテナントなど色々探していたんですが、
「喜八」というお蕎麦屋さん、地域から親しまれてきて惜しまれつつ最近閉店されたお店があって、そこの店主と接点がある方と縁があったので、お店の話をしたところ、「そういう事なら」と快諾していただき、「喜八」を改装して開店することに決まったんです。
間取りはそのままに二階も店舗にするなど、結構改装の手が入ったのですが、いくつかは「喜八」の名残も残っています。
お店の内装も、「喜八」さんの面影を残してほしいとだけ要望をお伝えして後はお任せしたのですが、建築に携わってくれた大工さんがとてもセンスのある方で、その方が取り仕切ってくれたおかげで満足のいく内装になりました。

お店では、2階の一部が犬と一緒に飲食ができるスペースになっています。妻の肝いりで、どうしてもやりたいことでした。
ペットフレンドリーなお店は増えてきていますけど、そのほとんどが飲食スペースが外なんです。そこを変えたくて、保健所さんとも細かくやりとしてやっと実現させることができました。
知り合いのブリーダーの方のアイデアで机を高くしたり、ご要望があれば簡単なワンちゃん用の食事も提供できます。
嬉しいことに評判が良くて、大変だったけどやってよかった、と感じています。

自分の城を持つことへの期待や不安

キッチンカー時代は食材のロスを考慮しつつ、ギリギリのラインでやっていましたが、店舗となるとその不安もない。お店の前に今日のオススメを掲示したりもできる。でもいざ自分のお店を持って感じることは、何でも自分の自由にできる分、プレッシャーもとても大きいことです。
そういう色々な意味で楽しみ半分、不安も半分でした。

でも、僕よりは妻の方が不安が大きかったと思います。そのおかげで僕は楽観的でいられました。妻は姉さん女房気質で、どんな時も的確な指示をしてくれます。飲食店をずっとやっていた僕は、何を決めるにしても従業員側の意見になってしまうことが多いのですが、その点妻はそんな経験もないので、100%お客様目線で意見をいってくれる。そこはとても心強いと感じています。

空き店舗活用での市のサポート

今回は店舗改装で補助金を活用したのですが、その補助金についても最初は知らなくて。
店舗や銀行の融資など、妻や両親など周りの人たちが色々必死になって探してくれて、皆さんのおかげで色々情報収集することができた形です。
富士宮は不思議な街で、「輪」を大切にする、というか。「ふたりの頼みなら、一肌脱ぐよ」と言ってくださる方がとても多いと感じます。

補助金を受ける前は予算とのにらめっこ状態でしたが、補助金を受けることになってからはだいぶ楽になりました。
受けるにあたっては妻が市役所のサポートを受けつつ、必要な書類を揃えたりしてくれました。
もちろん妻はそういう事務仕事が何もわからない状態で目を回していましてけれど、市役所の担当の方に支えてもらって、自分たちのできる範囲のことをやり、大変でしたが何とかなりました。今考えてもサポートがなければどうにもならなかったと思います。

起業するなら計画はこれでもかってくらい綿密に!

やるなら用意周到にちゃんと準備をすること。ちゃんと綿密に1年くらい前から必要なことを書き出していった方がいいと思います。自分たちは、この1年うまくいったこともありましたが、本当にトラブル続きでした。

スタート時は「これでもか!」ってくらい綿密に計画をたてたほうがスムーズにいくことは間違いないですね。

今後の展開について

店舗のある場所は商店街の目と鼻の先でもあるので、お祭り等地域の催しにも貢献できるよう、できることを模索しています。例えば盛り上がりに必要なジャンルの食事を考えたり、駐車場の提供などです。
あとはご近所を回ると、ランチを期待する声を良く耳にしています。今は僕と妻、あと名古屋から来てくれた後輩の3人でお店をまわしつつ、アルバイトさん数人に来てもらっているという形なので、体制が整い次第すぐにでも始めたいと考えています。

お店の宣伝はSNSや情報誌への掲載を通して行っています。口コミなども含めてまだまだこれからのお店なので、これからも自分たちでできることからどんどん手をつけて行きたいと考えています。

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