大切なのは、失敗にめげずに次へ進むこと

ビジネスコネクトふじのみやにて、ものづくり補助金の申請をサポート。

  • シンコーラミ工業株式会社
  • 業種：製造業
  • 設立：昭和57年11月

これまでの歴史

戦後、製材屋から出る木工の端材を利用し、下駄を作り始めたのが会社の起こりです。その後、当時は生理用品が不足していたことから、吸水帯の製造を始め、紙おむつなどの紙製品衛生材料の技術を活かして犬用トイレシートを製造する、シンコーラミの前身となるパール紙工が創業しました。
ただパール紙工は、仕事のほぼ100％が下請けであったため、下請けからの脱却を目指し現会長が立ち上げたのが「シンコーラミ工業株式会社」です。

主な事業内容として、押し出しラミネート加工というラミネート分野の一つに取り組んでいます。当初は、「赤ちゃんのおしりふき」などを作る不織布の主基材であるスパンレースを作る予定だったのですが、海外の大手企業が参入してくると価格競争が厳しくなり、我々では太刀打ちできないないだろうと判断し、押し出しラミネート加工に特化することにしました。

現在、主に製造を行っているものとして身近なものですと、コンビニなどで揚物を入れる袋などを製造しています。他には、病院で使われる医療用シーツなども扱っています。当社の全体の売上では、医療などで使用される衛生材料が6割、床下材などの建築材料やコンビニ包材、工業用向け材料が4割程となっております。
よく「組み合わせる」と言う言葉を我々は使うのですが、ラミネート加工は様々なものを貼り合わせる事ができ、それをとても幅広く対応できることがこの業界の良さでもあります。

押し出しラミネート加工においては、一般的に多くの企業が原材料をポリエチレン中心に製造していますが、当社では、ポリエチレン以外にも、ポリプロピレンやウレタンといった特殊素材の加工にも対応しています。他社が敬遠しがちな特殊素材に取り組むことで、高付加価値を生み出せる点が当社の強みだと思います。

充実した福利厚生

当社では、社員満足度向上のため、福利厚生に力を入れています。例えば、社員で行うBBQやWi-Fiの設置、各種手当の増加、有給休暇の取得促進などを実施しています。その結果、有給消化率は93%に達し、生産性の向上にもつながりました。また、年1回の個別相談を通じて社員の意見を取り入れることで、人材採用にも良い影響を与えており、実際、この取り組みを始めてからは、人の入れ替わりが減っています。福利厚生への取り組みが良い循環を生み出しつつあります。

我々製造業は人で成り立っている職業ですので、社員が満足して働ける環境づくりがとても大切だと考えています。ただ会社に来て仕事するだけではなく、プラスで何か面白い事が出来る環境の方が仕事も捗ると思っています。

若手社員が活躍する会社

当社には、現在114名の社員が在籍しており、平均年齢は36歳と若い方々が多く活躍しています。ここ数年は新卒採用を積極的に行っていて、今年は5名の新入社員が加わり、来年も5名の入社を予定しています。
また、会社のホームページやSNSを通じて当社を知り、入社してくれる方もいます。SNSではBBQやフットサルなど、仕事以外のことも投稿しており、これらに興味を持って入社してくれる方が多くいます。

更に当社は個性を大切にしています。例えば、仕事中はもちろん帽子を着用するなど衛生的に必要な配慮を行っていますが、基本的に髪型は自由です。この自由な社風は特に若い社員から高い評価を受けています。
また、当社では新入社員と社長で記念撮影を行う伝統があります。これは7年ほど前に思い付きで始めたもので、毎年社員数に合わせて様々なテーマで撮影を行っています。このような取り組みも、役員と社員の距離が近いと言われる理由の一つです。

支援について

今回、ビジネスコネクトふじのみやには、ものづくり補助金の申請のための事業計画づくりをサポートしていただきました。以前、第1回目の申請は社内だけで行った経験がありますが、回を重ねるごとに申請書の見せ方や内容の工夫がとても重要になってきて、申請が通りづらくなってきていると感じていました。そのため、申請書を受け取る側が分かりやすいような文章にまとめること等、ビジネスコネクトふじのみやに助けていただき本当に助かりました。
その過程で自社の魅力を改めて見直すきっかけにもなり「あ、うちの会社ってこんなに良いところがあるんだな」と再発見できたのも嬉しかったです。言葉の整理やアドバイスをもらいながら、スムーズに進めることができ、とても感謝しています。

今後の目標・課題について

私たちは、社員やその家族、そして地域の皆さんにとって「良い会社」でありたいと考えています。その一環として、今年の夏休みの期間にビジネスコネクトふじのみや主催の「親と子の施設めぐり」に参加し、地域の子どもたちに工場見学をしてもらいました。この取り組みは子どもたちだけでなく、一緒に参加した大人たちからも好評で、貴重な経験となりました。

仕事に対しては、「どうせ働くなら、楽しい会社がいい」と考えています。ここでいう「楽しい」とは、和気あいあいとした楽しさだけではなく、真剣に取り組む中に楽しさを見つけられる環境です。仕事に真剣に向き合いながら、時には笑顔も溢れる職場を目指しています。その結果、自然と活力が生まれ、会社の目標達成につながると信じています。

また、当社では社員の自主的な社内改善活動が活発で、製造現場を中心に毎年のように改善が進んでいます。特に若い社員が率先して新しいことに挑戦してくれており、その結果が利益にもつながっています。最近では、24歳の女性社員が工程の責任者に就任するなど、年齢や経験年数にとらわれない評価を行っています。
やる気や意欲があればどんどん成長できる会社でありたいと考えていますし、新しい設備や改良が進む中で、社員のアイデアや努力が評価につながる環境を整え、「やれば報われる会社」をこれからも目指していきたいです。

これから創業する方へ一言

創業は大きなチャレンジであり、たとえ失敗してもそれが無駄だったわけではありません。私たちも、会社をここまで成長させるまでにはたくさんの失敗を経験してきました。でも、大切なのは失敗にめげずに次へ進むことだと思います。

また、人を雇う立場になったときには「責任」を忘れないでほしいです。会社は自分一人では成り立たず、働いてくれる人がいて初めて成り立つものです。「働いてもらっている」という感謝の気持ちは大切ですし、私自身もその気持ちを忘れずにいたいと思っています。誰かに支えてもらっている、助けてもらっているという意識を持ちながら事業を進めてほしいです。

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