「からだにやさしい」、かつ「おいしいもの」を提供したい

ビジネスコネクトふじのみや(以下、「ビジコネ」)で、富士宮市空き店舗等対策事業費補助金を利用した店舗の開店をサポート。

  • グルテンフリーのお店 うつくしフォカッチャ
  • 業種:飲食業
  • 創業:令和7年3月21日

きっかけは身近な子どものアレルギー

私たちは株式会社うつくし倶楽部という福祉の会社を運営しており、このたび、 米粉で作った「グルテンフリー」のフォカッチャ・マフィンの専門店をオープンしました。
最初のきっかけは、数年前に知り合った友人のお子さんが小麦アレルギーを持っていたことでした。今までそれほど真剣に考えてこなかったアレルギーというものが、身近にそういうお子さんがいることでリアリティを持って感じられるようになり、そこから米粉を使ってアレルギーを持つ方にもおいしいものを提供したいとの想いが生まれ、時間をかけて少しづつ形にしていきました。
また、お店では「居場所づくり」という側面も大切にしたかったので、
グルテンフリー」で、かつ「おいしいもの」、そして何よりも「心地よい空間」作りにこだわりました。

商品開発の途中、試行錯誤する中で、いったんは「グルテンフリーにこだわらずに作ってみては」、という案も浮上しましたが、方向性を見失いかけていたときに、「アレルギーのあるお子さん」のことを思い出し、原点に戻ってグルテンフリーを看板に掲げることにしました。

米粉パンを謳う商品はいくつもありますが、実際は米粉以外のものを使っているところもあります。それ自体は別に悪いことではありませんが、以前そういう商品を扱うお店の口コミを見た時に、「小麦粉が食べられない子供の為に遠くから来たが、小麦粉も入っていると聞いてがっかり」といった声を何件か見ました。私たちはそういう意見も汲んであげる店になりたいと思っています。そして、その意見を汲んだうえでアレルギーではない人が食べても美味しいものを作るという事も大事にしています。

当初の課題は「メニュー」

「グルテンフリーにこだわった商品を出したい」という構想は数年前からありましたが、問題はメニューでした。何度も何度もトライしてみたものの、いつも商品化するときに躓いていました。家でオヤツとして作るなら子ども達は「大満足」でも、人様に「商品」としてお出し出来るレベルのものではなかったからです。

今までも、折に触れ専門の方々の意見も聞いて進めては来ましたが、改めて商品開発をプロにお願いしようと考えました。
しかし、いざとなると米粉を使った商品を取り扱っている教室や先生はなかなか見つからず、諦めかけていた時に、偶然、さいたま市の料理教室の先生にお会いする事ができました。

さいたま市にある「お菓子・料理教室キッチンパフェ」のプロ講師の先生が親切丁寧に相談にのってくださり、私たちの想いや希望を伝え、それに対して先生が提案していく形で開発は進んでいきました。去年の2月から月に3回程、夫婦揃って教室に伺って、朝10時から夕方5時までみっちりとレッスンを受ける生活を1年ほど続けた結果、ようやくお店に並べるに耐えうるメニューを開発することができました。
先生の協力なくしては、自分たちも納得できる「商品」を作ることはできなかったと心より感謝しています。

フォカッチャについて

一般的にイメージされるフォカッチャはシンプルな平焼きパンです。
本場イタリアでは料理の付け合わせとして食べられています。
発祥は古代ローマ時代にまで遡ると言われ、その発展形がピザだという説があるそうですが、当店のフォカッチャは色々なお惣菜が乗っているので、どちらかというとピザに近いかもしれません。
先生と一緒に開発している時にも、東京、埼玉、神奈川、山梨など色々なお店でサンプリングしてみましたが、何も乗せていないシンプルなものから、お惣菜をのせているもの、スイート系にアレンジしたものなどバリエーションが多岐にわたっており、 当店では、味のみではなく目でも楽しんでいただけるようにと、たくさんの具材を乗せた物を提供しています。
また、お母さんがお子さんに食べさせる時に、一皿で何種類も野菜が摂れたら嬉しいのではないかというような想いも乗せて作っています。

今後の展開

将来は、メニューの中に富士宮の特産品を取り入れる事も考えています。
遠くは東京・埼玉、さらには福島からもわざわざご来店いただく方もいるので、出来ればここで食べたこと、 食べたものを、「富士の麓に行って食べてきた」という記憶に残して帰って欲しい。

そのために、原材料には、地元富士宮の有機野菜をふんだんに取り入れていますが、その他にも富士宮産のお茶やお米などを使ったフォカッチャやマフィンを提供するなど、色々と検討していければと思っています。


支援について

ビジコネには「うつくしフォカッチャ」開業前に他の事業でもお世話になったことがあったので、「空き店舗等対策事業費補助金」の事は知っていました。ただ、その時は残念ながら条件が合わず補助金の活用ができなかったのですが、頭には残っていたので、今回なら条件に合うのではと考えて窓口に伺いました。

申し込みのタイミング自体もギリギリで締め切りが迫る中、担当窓口の方にはこちらのスタンスに合わせてとても良くしていただきました。
補助金の申請以外でも色々な事に便宜を図ってくださり、指摘やアドバイスなど丁寧に対応していただいたおかげで「お役所」に対する概念がだいぶ変わりました。
今後も色々相談させてもらえればと考えています。

これから創業する方へ

漠然と何かを始めたいと考えている方は多いかと思います。私たちもそうでした。なのでまずは自分の頭を整理するためにも、誰かに話してみることをお勧めします。

今回一番感じたことは、相談窓口である「ビジコネの垣根の低さ」でした。何か始めたいと考えて自分の頭を整理しようとすると、ついビジネスコンサルタントのようなプロに目が向きがちですが、親切丁寧に教えてくれるという点ではビジコネも同じだと思います。自分の頭を整理して目標を見定めるためにはビジコネのような窓口にまず相談してみるのもいいのではないでしょうか。

事業者情報