子どもたちと地域の化学反応で生まれる、新しい学びの形

ビジネスコネクトふじのみや(以下、ビジコネ)にて、法人化にあたっての相談や融資のあっせん等をサポート。
- 一般社団法人Somos Amigos
- 業種:well-being共育デザイナー
- 創業:2026年4月
KODOMO宝探しプロジェクトについて

Somos Amigosが取り組む『KODOMO宝探しプロジェクト』は、0歳から就職までを一つの成長の物語として捉え、子ども一人ひとりの個性や強みを発見しながら、段階的に成長を支援していく教育プロジェクトです。私たちは、「すべての子どもが自分らしく輝ける社会」を目指し、年齢や発達段階に応じた体験や学びの機会を提供しています。プロジェクトの入り口では、個性心理学を活用しています。個性心理学は、生年月日から個人の特性や傾向を統計的に分析するもので、人の特性の約30%は生まれ持った要素によって形成されると言われています。
私たちは、まず0歳の段階からその子らしさを理解し、保護者や保育施設と連携しながら、一人ひとりの個性を大切に育む環境づくりを行っています。
年中から小学3年生を対象にした『特性発掘プログラム』では、地域企業や団体と連携しながら、多様な体験コンテンツを実施しています。子どもたちは、さまざまな体験を通して自分の興味や関心に出会い、「好きなこと」「得意なこと」「やってみたいこと」を発見していきます。小学4年生から6年生になると、『トレジャークエスト』『Amigosキャンプ』といった実践型プログラムへ進みます。ここでは企業から依頼を受けたイベントを、子どもたち自身が企画・運営します。例えばサイエンスショーや地域イベント、キャンプなどを題材に、オンラインミーティングで企画を考え、役割分担を行い、本番の運営まで子どもたちが主体となって取り組みます。
ファーストペンギンを育て、その挑戦を地域の未来につなげる
ファーストペンギンとは、誰よりも先に一歩を踏み出し、未知の世界へ挑戦する人のこと。私たちは、子どもたちが地域の枠を超えて挑戦し、自ら未来を切り拓いていける力を育む教育に取り組んでいます。そして、子どもたちには一度地域の外へ出て、多様な経験を積んでほしいと考えています。その上で、いつか「富士宮に戻りたい」と思える地域をつくるために、地域企業の経営者と若者をつなぐメンター制度を構想しています。
経営者が若者の人生の伴走者となり、その挑戦や成長を応援する。地域全体で若者を支える“推し活”のような仕組みです。
現在、富士宮市の年間出生数は約500人。私はこの数字を危機ではなく可能性だと捉えています。500人だからこそ、一人ひとりに寄り添い、0歳から就職までを見据えた教育のグランドデザインを描けると考えているからです。私たちが目指しているのは、「500人の子どもに、500人の可能性を信じる大人がいるまち」です。人口減少が進む今だからこそ、地域の未来を支えるのは人づくりです。若者の可能性を信じる大人が増え、その想いが次の世代へ受け継がれていく。私たちは、ファーストペンギンの育成と人生の伴走者づくりを通して、富士宮に「人の可能性を信じる文化」を根付かせていきたいと考えています。
教員としての経験と、活動のはじまり

私は15年間、中学校教員として教育に携わってきました。そのうちの3年間は、2019年から2021年までコロンビアの日本人学校に勤務する機会をいただきました。ちょうどその時期は、新型コロナウイルスの影響で世界中にオンライン技術が急速に普及した時代でした。私はその環境を活かし、世界各国で教育に取り組む実践者や教育者の方々とオンラインでつながり、1対1の対話を重ねました。さまざまな価値観や教育観に触れる中で、「これからの時代に本当に必要な教育とは何か」「自分は教育者として何ができるのか」を深く考えるようになりました。そして日本に帰国したとき、私が最も強く感じたのは、先生も子どもも、そして地域全体も、どこか元気や笑顔を失っているように見えたことです。コロナ禍を乗り越えた直後ということもあり、人と人とのつながりや地域の活力が弱くなっているように感じたのです。「何か自分にできることはないだろうか」と考えた私は、地域の人たちがつながり、子どもたちが安心して挑戦できる場をつくるために、地域イベントや体験活動の企画を始めました。活動を続ける中で、地域の大人たちがつながり、子どもたちが生き生きと学び始める姿を目の当たりにしました。そしてその時「教育は学校の中だけで完結するものではない。地域全体で子どもを育てることができる。」と確信しました。この実感こそが、現在取り組んでいる様々な教育事業の原点です。地域の大人たちと共に子どもたちの可能性を育み、一人ひとりが自分らしい未来を描ける社会をつくることに挑戦しています。
地域のつながりが生み出す、安心して育つ場
私は中学校教員として15年間教育に携わり、2025年までは中学3年生の担任を務めていました。担当教科は理科でしたが、技術科や総合学習も担当し、特に総合学習には力を入れて取り組んできました。一方で、学校の外ではSomos Amigosの活動も続けており、平日の放課後や休日のほとんどを地域活動に充てていました。学校と地域の両方で子どもたちに関わる日々は決して楽ではありませんでしたが、それ以上に大きなやりがいを感じていました。私自身、かつてはサッカー部の顧問として子どもたちと向き合ってきましたので、部活動の価値もよく理解しています。ただ、これからの時代は部活動だけではなく、地域とのつながりや実社会との接点の中で学ぶ機会も同じくらい大切だと感じています。そのため、私は総合学習や地域連携の活動に力を注いできました。活動を続ける中で確信したのは、教育の土台は「安心して過ごせる居場所」と「人とのつながり」にあるということです。例えば、現在富士市広見地区では、まちづくり協議会が一般社団法人化し、高齢者が日常的に集えるコミュニティづくりを進めています。そこに学校へ行きづらさを感じている子どもたちも自然と集まり、お年寄りと子どもたちの交流が生まれています。その光景を見ていると、教育は知識を教えることから始まるのではなく、まず「ここにいていい」と思える安心安全な場をつくることから始まるのだと改めて感じます。私が本当に実現したいのも、そんな世界です。
Somos Amigosは、スペイン語で「みんな友達」という意味があります。子ども、お年寄り、企業、行政、学校。立場や肩書きを超えて、みんなの真ん中に子どもを置き、地域全体で未来を育てていく。それが私たちの目指している“共育”のかたちです。
学びの秘密基地『未来発見堂』

私たちが新たに立ち上げた『未来発見堂』は、『KODOMO宝探しプロジェクト』を経験した子どもたちが、中学生・高校生になった後も学び続け、自らの興味や関心を深めながら、地域課題の解決や新しい挑戦に取り組むための「学びの秘密基地」です。一般的な塾のように知識を教える場所ではなく、子どもたち自身が主体となって未来を創るための実践の場として運営しています。ロゴマークには赤富士を採用しました。赤富士は古くから縁起が良いとされる希少な景色です。私たちは、この場所に集まる子どもたちもまた、一人ひとりがかけがえのない価値を持った存在だと考えています。そして、その子どもたちが自分らしい個性や想いを発信しながら、地域や社会とつながり、新たな価値を生み出していく。そんな願いを込めて、このロゴを制作しました。
現在の学校教育の中では、「やってみたい」という子どもたちの想いがあっても、環境や制度の制約によって実現が難しい場面も少なくありません。だからこそ未来発見堂では、「やってみたい」を実際の行動につなげられる環境づくりを大切にしています。答えのない課題に向き合い、自ら考え、挑戦し、失敗しながら学んでいく。そんな経験を通して、自分自身の人生を切り拓いていける人を育てたいと考えています。しかし、私たちが大切にしているのは挑戦する力だけではありません。感謝する心、人を思いやる心、仲間と協力する姿勢など、人としての土台となる部分も同じように大切にしています。個性を伸ばしながらも、人とのつながりを大切にできる人。そんな人材こそ、これからの社会に必要とされる存在だと考えています。私たちが目指しているのは、「一つの未来発見堂」ではありません。子ども一人ひとりに、自分だけの秘密基地があるような状態です。秘密基地は、自分たちでつくったからこそ愛着が湧き、何度でも帰ってきたくなる場所になります。未来発見堂も同じです。この場所を子どもたち自身が活用し、自分たちの挑戦を生み出していく。私たちは、そのための場を用意し、伴走する存在でありたいと思っています。やりたいことがある子には全力で応援する。まだ見つかっていない子には、新しい可能性の種を届ける。未来発見堂は、そんな子どもたちの可能性が芽吹く場所でありたいと願っています。
ビジコネの支援を受けて

法人設立を考え始めたとき、最初に相談したのがビジコネでした。「こんなことをやりたいのですが、どう進めていけば良いでしょうか」そんな漠然とした相談からスタートしましたが、商工会議所の皆さまをはじめ、市役所や富士宮信用金庫の皆さまにも事業計画や融資などについて親身にアドバイスをいただき、多くの方々に支えていただきながら法人を立ち上げることができました。本当に感謝しています。
実は、ビジコネとのご縁はそれ以前からありました。私がまだ西富士中学校の教員だった頃、総合学習の中で「自分たちの強みと地域の資源を掛け合わせてビジネスを考える」という探究学習に取り組んでいました。その活動に興味を持ってくださったビジコネの皆さまが、わざわざ学校まで足を運び、子どもたちの発表や取り組みを見てくださいました。地域で実際に事業を行っている方々から直接アドバイスをいただけたことは、子どもたちにとって大きな刺激になりました。学校の中だけでは得られない視点や考え方に触れることで、子どもたちの発想や挑戦もさらに広がっていったように感じています。こうした外部の大人との出会いは、子どもたちの可能性を広げる大切な機会です。だからこそ、地域と学校、そして子どもたちをつなぐ役割を果たしてくださるビジコネの存在は、とても心強いものだと感じています。これからもぜひ、未来発見堂や地域の子どもたちの挑戦を一緒に応援していただけたら嬉しいです。
創業を考えている方へ
私は、まず一歩踏み出してみることが大切だと思っています。
世の中には、やってみないと分からないことが本当にたくさんあります。怖さや不安があるのは当然ですが、その場に留まっていては見えない景色があります。私たちが大切にしているファーストペンギンの考え方も同じです。最初に海へ飛び込むペンギンは勇気が必要です。しかし、飛び込んだからこそ見える世界があります。もし思ったような結果にならなかったとしても、またやり直せばいい。挑戦しなければ、可能性に出会うこともできません。
私自身も法人設立という初めての挑戦を経験しましたが、その過程でビジコネをはじめ、多くの方々に支えていただきました。困ったときには相談に乗ってくれる人がいて、見えないところでもさまざまなサポートをしてくださる。そんな安心できる環境が富士宮にはあります。だからこそ、創業を考えている方には、まずは一歩踏み出してみてほしいと思います。完璧な準備が整う日を待つのではなく、まずは相談してみること、動いてみること。その一歩が、新しい未来への入り口になるかもしれません。「未来は、考えている人よりも、一歩踏み出した人に見えてくる。」私はそう信じています。
『未来発見堂』が描く未来

私たちはまず、富士・富士宮地域で『未来発見堂』のモデルを確立したいと考えています。地域の子どもたちが自分の可能性を発見し、地域の大人たちとつながりながら挑戦できる環境をつくる。そして、その実践を通して新しい学びのモデルを育てていくことが最初の目標です。現在の学校教育や部活動だけでは補いきれない部分を地域が支え、子どもたちの主体性や探究心を育む。そんな「地域全体で子どもを育てる仕組み」として、未来発見堂を育てていきたいと考えています。
そして、富士宮で成果を積み重ねた先には、日本全国への展開を見据えています。未来発見堂は特別な施設がなければ実現できないものではありません。地域にある空き店舗や空きスペースを活用しながら、その土地ごとの特色を生かして運営することができます。例えば、空き店舗となった商店や地域の交流スペース、美容室なども、放課後には子どもたちの学びと挑戦の拠点へと生まれ変わるかもしれません。私たちが提供したいのは「建物」ではなく、「人が育つ仕組み」だからです。だからこそ、未来発見堂は地域を問わず、さまざまな形で展開できる可能性を持っています。
さらに私たちは、その先の世界も見据えています。富士山は世界中の人々を惹きつける特別な存在です。私たちは、この富士山の麓から生まれた教育モデルを世界へ発信したいと考えています。現在、ドイツ、台湾、コロンビアなど海外の教育関係者との連携も進めており、将来的には世界各地に『未来発見堂』の拠点が生まれることを目指しています。
富士宮から世界へ。子どもたちの可能性を信じ、大人たちが伴走する文化を広げていく。それが私たちの描く未来です。
事業者情報
- 事業者名:一般社団法人 Somos Amigos 『未来発見堂』
- 住所:〒418-0004 静岡県富士宮市三園平676
- 電話番号:090-4851-9484
- HP:https://somos-amigos.my.canva.site/
- Instagram:https://www.instagram.com/somos_amigos2024/