原石をキラキラ輝く宝石に変えていく取組みこそ本当の地域創生の形

ビジネスコネクトふじのみやで、販路拡大を目的とした富士宮信用金庫が提供するバイヤーとのマッチングサービスを活用したコンサルティングを主にサポート。

  • 株式会社東海製蝋
  • 業種:製造業(蝋燭・仏具等)、卸業(線香等)
  • 創業日:明治10(1877)年

市場開拓のための販路拡大を決意

30年ほど前から小売店の大規模化が進み、それに伴い日用雑貨の流通は大きく変化しました。小売店のニーズに対応できるメーカーや問屋はその規模を拡大し、大量に生産し販売するというビジネスモデルに変わっていきました。
そのような変化を背景に、当社ではろうそく市場の中でも仏壇仏具専門店に販路を特化し、専門店向け蝋燭の市場を創造してきました。専門店では対面販売を行うため、お客様のニーズを拾いやすく、それらを反映させた製品創りが可能になるという利点がありました。
ただ、売上も頭打ちになり、市場を開拓していく意味や必要性を感じて何か行動しなければならないと考えていた時に市内のある量販店さんに専門店向けの商品をおいていただける機会を頂きました。その経緯から地域の特色を強く打ち出すことで、これまでとは別の販路に乗せることの可能性を感じたことが販路拡大の相談をしたきっかけです。

具体的な地域創生の形

信用金庫の方からアドバイスを頂いて「しんきん地域創生ネットワーク」のサービスを知りました。全国に7,000店舗以上ある信用金庫のネットワークを活用したバイヤーとのマッチングサービスのようなもので、企業の強みに対して販売先やアイデアをアドバイスしてもらえます。
全国にネットワークを持っていて、それぞれが地域のスーパーや小売店さんと繋がっている、こんな金融機関は他にはないので、そのお話をいただいてすぐにお願いしました。

地域の中小零細企業の弱点として、大手に比べて情報やネットワークがないことが挙げられます。どんな便利なサービスでも、ニッチな市場で特徴のある商品を作っていたとしても、情報やネットワークがないので販路を拡大することができない企業さんが沢山いると思います。
そういった現状の中で、信用金庫さんのこの取り組みは、原石を掘り出してキラキラ輝くものに変えていくという本当の地域創生の形だと思っています。

自分たちにはないシステム

技術的なレベルでは、業界内でも高いレベルにあると感じており、ここ5年くらい様々な商談や展示会に出ながらチャレンジを繰り返しています。
そこでわかったのは、やはり市場ごとの仕組みや知識、情報とネットワークが決定的に足りないという事でした。正攻法だと時間がかかったり、ちゃんと話を聞いていただけなかったりといったこともあります。
ただ、しんきん地域創生ネットワークのノウハウやバイヤーさんとのコネクションを使ってある程度権限を持つバイヤーさんとニーズのすり合わせができたことですんなり話が進み、商談がうまくいったこともありました。
失敗しても成功しても得られるノウハウや情報はプラスになる。そういう積み重ねがとても大事で、地域創生の柱になります。
そこに責任とビジョンを持った伴走支援ができる信用金庫の存在はとても大きかったと感じています。

中小零細企業の「これから」に必要なこと

我々メーカーはいいものを作るだけではダメで、知ってもらって使ってもらって初めて世の中にインパクトが生まれる。
私たちのような中小零細企業は自分の人生をその商品やサービスに重ねて生きています。価格競争やお客さんが減ったり色々ありますが、存在意義がすべての局面で一番重要であると感じています。
存在意義、つまり経営理念を突き詰めて考え、社会や人にどんなインパクトを与えたいのかというマインドを常に持っていることが正しい決断をするために必要なことではないでしょうか。

事業者情報